草津市市民参加条例(案)の“ここが分からん!”(参考資料と学習メモ編)

《前文および目的の検討資料》

流山市民参加条例    (目的)  第1条 この条例は、流山市自治基本条例(平成21年流山市条例第1号)第16条の規定に基づき、市民等の市政への参加(以下「市民参加」という。)の手続その他必要な事項を定め、市民自治を推進することを目的とします。

川口市市民参加条例    (目的)  第1条 この条例は、川口市自治基本条例(平成21年条例第6号)第7条第5項の規定に基づき、市民の市政への参加のための基本的な事項を定めることにより、市政の運営に対して、市民が自ら意見を表明し市政に参加する権利を保障し、もって市政の主権者である市民が、市民として幸せに暮らせる地域社会を築くことを目的とする。

→ 草津市の条例案では、草津市自治体基本条例第8条に基づいて策定されるという位置づけであるにも関わらず、その文言が入っていないのは何故?

草津市市民参加条例(案)   (目的)  第1条 この条例は、市民参加が円滑に機能するよう、必要な要件や手続等基本的な事項を定めることにより、市民参加を推進することを目的とする。

北広島市市民参加条例   穏やかな丘陵台地の広がる北広島市は、緑の豊かな自然と都市機能が調和したまちです。わたしたちは、明治の初めに入植した広島県人をはじめ多くの先人たちの労苦と知恵によって築いてきた歴史と文化を受け継ぎ、共に助け合ってこのまちを発展させてきました。今日、時代の変化とともに生活の移り変わりや価値観の多様化によって、新しい視点に立ったまちづくりを進める必要性が高まっています。 市民は地方自治の主役であり、市政への参加は市民の権利です。市民も市政の担い手であることを自覚するとともに、それぞれの経験や知識を積極的に市政に反映し、まちづくりに活かすことが大切です。そのためには、市民と市が情報を共有し、相互理解を深めながら協働して、自らの責任と役割を果たしていくことが求められます。 市民参加は、自分のまちのことは自分で決め、つくるという自治本来の姿を実現するものです。わたしたちは、将来にわたり市民参加への歩みを重ねることを確かめ、平和と安心のもとに市民みんなが誇りを持てるまちにするために、ここに「北広島市市民参加条例」を制定します。

→この条例では、「わたしたち」とは、市民=個人、市民活動団体等の組織、自治体なども含まれる概念であると読み取れる。  

 草津市の場合は、「わたしたち」とは市民のことであり、自治体は草津市と表現し「わたしたち」には含まれていない。  

 自治体は、市民が地方自治の主役(主権者)でありその一部と見るのか、地方政府として市民が信託する別物と見るのかの違いか?

 

《草津市の条例案で書かれていないこと》

流山市民参加条例 (市民参加の方法) 第6条 (3)意見交換会の開催 (4)公聴会の開催 (5)政策提案制度

※公聴会とは、自治体における政策の決定や運営について、関係者(公述人)の意見を直接聴いて施策に役立てる手続きのこと。

和光市市民参加条例   (市民参加の実施)  第8条 市の機関は、対象事項の性質、影響及び市民の関心度を考慮して、適切な時期に前条に定める方法のうちから、1以上の適切な方法により行うものとします。  2 前項の場合において、市の機関は、より多くの市民の意見を求める必要があると認めるときは、複数の市民参加の方法を併用するよう努めるものとします。   (市民政策提案手続)   第9条 市民政策提案手続における提案は、年齢満18歳以上の市内に住所を有する者が10人以上の連署をもって、その代表者から市の機関に対して対象事項(第6条第2項に該当するものを除きます。)について行うことができます。  2 市民政策提案手続において、市の機関が政策等の提案を求めようとするときは、提案を求める政策等の目的、提案できる者の範囲、提案の方法その他提案に必要な事項を公表するものとします。 3 市の機関は、提案のあった政策等について総合的かつ多面的に検討し、検討結果及びその理由を提案した者(代表者がいるときは、その代表者)に通知し、原則として公表するものとします。

八王子市市民参加条例   第5条  この条例における市民参加の方法は、次のとおりとする。  (2) 審議会等(法令、条例等に基づき設置された審議会、協議会等をいう。以下同じ。)の開催  (3) 市民会議(会議に参加した市民自身が会議を運営し、報告書、計画書、条例素案等を作成するための会議をいう。)の開催

苫小牧市市民参加条例   第4条    (2) 市民会議(当該政策についての調査及び検討を行うため、市民が自主的に運営する会議をいう。以下同じ。)を設置し、その調査及び検討の結果について報告を受ける方法  (3) 公聴会を開催する方法

印西市市民参加条例    (市民会議手続)  第10条 市は、行政活動の課題及び問題点等に対して複数の市民等との意見交換、意見形成等を図る場合は、あらかじめ対象となる市民等を定め、その市民等及び市又はその市民等の相互の議論により一定の方向性を見出すことを目的とする集まり(以下「市民会議」という。)を設置することができる。  2 市は、市民会議の開催にあたっては、次に掲げる事項を事前に公表しなければならない。 (1) 議題 (2) 開催日時 (3) 開催場所 (4) その他必要と認める事項

北広島市市民参加条例   (市民参加の方法)  第 6 条 市の機関は、前条第 1 項の規定に基づき市民参加を求めるときは、次に掲げる方法(以下「市民参加手続」といいます。)により実施するものとします。  (1) ワークショップ(市の政策等について、市民と市の機関の間又は市民同士の自由な議論により市民の意見を集約することを目的とする会合をいいます。以下同じです。)の開催 (5) 市民投票(投票により広く市民の意思を確認することをいいます。以下同じです。)の実施 2 市の機関は、より多くの市民の意見を反映させるため、積極的に複数の市民参加手続を実施するよう努めるものとします。   (ワークショップ) 第7条 市の機関は、対象事項について複数の市民と一定の合意形成を図り、及びその意見の基本的な方向性を把握する必要があるときは、ワークショップを開催します。  2 市の機関がワークショップを開催しようとするときは、開催の日時及び場所、討議の議題等をあらかじめ公表するとともに、その討議に必要な資料を作成するものとします。 3 市の機関は、ワークショップを開催したときは、その記録を作成し、公表するものとします。

西東京市市民参加条例    第5節 市民ワークショップ (市民ワークショップの開催)  第21条 実施機関は、課題、問題点等の抽出と選択を通して、複数の市民との一定の合意形成を図る必要がある場合は、市民と市及び市民同士の自由な議論により市民意見の方向性を見出すことを目的とする集まり(以下「市民ワークショップ」という。)を開催する。

→草津市の条例案で書かれていないこと  

 1.市民会議  2.ワークショップ  3.公聴会  4.政策提案制度  5.1つ以上の手法活用  

 次回は、このことに論及する。  その際に、草津市自治体基本条例から連なる(連ならないのかも?)関係条例の全体構成について整理する必要あり。  

 とりわけ、「市民参加」と「協働のまちづくり」がどのように使い分けされているのか、また、その理由について掘り下げて検討しなければならない。  

 参考として、山岡義典氏(法政大学現代福祉学部教授)の分類方法は以下のとおり。

 「市民参加とは、行政活動に市民の意見を反映するため、行政活動の企画立案から実施、評価に至るまで、市民が様々な形で参加すること」

 「協働とは市の実施機関と市民公益活動を行う団体が、行政活動について共同して取り組むこと」

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