先を急ぎますので、この連載はあと3回位で終わります。
分かりにくい内容で大変申し訳ありませんが、もう少しだけお付き合いください。
今回は、基本計画の中の主軸事業とリーディング事業、そしてマニフェスト関連事業の3つの事業の関係について分析します。
その次は、総合計画と自治体基本条例。
従来、総合計画は地方自治法を根拠に置いていましたが、法令改正により現在は各自治体の判断に委ねられています。そこで、草津市では「草津市自治体基本条例」で総合計画を市政運営の最上位の計画として位置づけていますので、その経緯や内容などを分析してみたいと思います。
最後は全体を振り返って集約する予定です。
でも、気が変わって途中で止めるか、あるいは追加するかも知れませんのであしからず。
(3)総合計画の中の3つの事業分類
「第5次草津市総合計画第1期基本計画」(以下、基本計画と略す)をよく読むと事業の区分が3種類あることに気がつきます。
一つは主軸事業。もう一つはリーディング事業、そしてマニフェスト関連事業。
これら3つの事業区分が基本計画における主要事業と位置づけられています。(下図)
ちなみに、この基本計画は草津市総合計画審議会設置条例(昭和44年4月1日条例第2号)に基づいて市長の諮問機関として設置された審議会がとりまとめたものです。
市長のマニフェストが基本計画の中に位置づけられているのは、市長から諮問し答申を受けて作成した計画ですから当然といえば当然です。
参考までに、市長の権限は行政組織を統括・代表し、予算を調製・執行したり、条例の制定・改廃の提案及びその他議会の議決すべき事件について、議案を提出したりすることができるというものです。
総合計画の場合、基本構想については自治体基本条例の規定では議決事項とされていますが基本計画は議決事項としては指定されていませんので、市長の権限内で策定・執行できるものと考えられます。
このことを踏まえて、もう一度じっくり基本計画を眺めていると疑問が出てきました。
マニフェストとリーディング・プロジェクトとの関係はどのようになっているのか?
リーディング・プロジェクトは、言葉の意味からすると全体を先導的にリードしていく施策であると理解できますので、最も力を注いで実現していくべき事業だと推察できます。
具体的に、基本計画では3つのプロジェクトが指定されています。
水と緑と文化に満ちた暮らしプロジェクト
はつらつ草津の未来プロジェクト
市民が学んで築く地域プロジェクト
これらは、「ふるさと草津の心」がおのずから生み出されるよう、重点的・分野横断的な視点から設定され、基本計画期間において成果が強く望まれる施策・事業で波及効果が期待できる内容だと位置づけられています。(下図)
先ほどの「疑問」というのは、重点的に行うべき事業の根拠がいくつかあり、一体どれが本当に重点的に行われるのかが非常に理解しづらいということです。
マニフェストを検証する立場から言うと、当然にしてマニフェストの施策が最も重要視されなければならないものです。
しかし、行政サイドから考えると草津市の最上位計画として総合計画(基本計画)があり、その中で最も重要であり先導的にリードしていくべき事業はリーディング・プロジェクトであると位置づけられています。
どちらも重要であり重点的に実施してくというのは分からなくも無いのですが、限られた予算の中でどちらかを選択しなければならないという場合も想定して「どちらかというとどちらが重要か」を知りたいという気も起こります。
テレビ番組で究極の選択として「二者択一」を出演者に求める場面を目にすることがあります。
役所にお聞きすると「どれも重要でいずれもないがしろにはしません」「総合的に政策の実現に向けて努めてまいります」というようなお答えが返ってきそうですが、実際はどうなのでしょうか。
せめて市長からは「もちろん、最も重視しているのはマニフェストです!」というようなお答えが頂きたいなぁ・・・。
平成23年度の進捗状況 を見ると、リーディング事業の一つ「地域ポータルサイト整備事業」(担当:情報政策課)については貢献度がD評価で事業費も平成22年度に11千円執行されているだけなので、実際には事業は見送られたと見て良いのではないかと思います。
また、基本計画の期中評価が平成24年11月に公表されていますので、3つの事業区分ごとに分析をしようと思いましたが、ベンチマークは57項目の基本方針ごとに区分されているだけなので、主要事業の3つの区分別の検証には時間がかかりそうです。(つづく)